<レポート>
2007全日本選手権バイクトライアル
第3戦 関東・長野/中条大会(07.10.07)


世界的にも有名な観光地である志賀高原と白馬村を結ぶ通称オリンピック道路沿いに位置する中条村.年々進行する過疎の流れに逆らうように村おこしのひとつとして建設されたトライアルランドで全日本選手権最終戦が行われた.
前2戦の結果では,チャンピオンが確定していなかった最終戦は,日本のトップを決めることを優先課題としてセクションが作られた.結果,各クラスのトップに焦点を合わせて設定されたセクションは,ほとんどの選手にとって,1クラス上の難易度となっており,5点が続出する厳しい大会となった.

マスタークラスの注目の選手は,何と言っても長屋佳政選手.5点に泣いたライバル選手が多い中で,20インチのような軽やかさと抜きん出たしなやかさでセクションを走破する.6セクションの中盤では,リヤタイヤがパンクしたにも関わらず,見事にクリーンでアウトし,世界2位の底力を見せつけた.しかしその後も2度のパンクに見舞われ,勝負を制したとは言え,本人の中では不本意な部分が残ったに違いない.
長屋選手によると,今大会のセクションは一見丸く見える石のあちこちに尖った部分があり,人気の軽量ハイグリップタイヤのサイドの薄さが災いしてリム打ちしてしまったとのこと.今後の空気圧の設定にさらなる微調整が行われるだろう(ちなみに当日の設定は,1.9kg/cm2).

一方エリートクラスは,寺井一希選手と宮岡啓太選手が注目どころ.総合的な完成度では寺井選手にアドバンテージがあるものの,今回のようなギリギリの設定では,「何をしでかすか判らない」的なライディングテクニックを持つ宮岡選手にも勝つチャンスはあった.しかも今回は,チームジャイアントの外山監督とチームメイトの長屋選手がサポートする万全の体制での競技となった.
一進一退の攻防を繰り広げる中で,始終リラックスしながらも安定感とダイナミックな走りを披露する寺井選手がじりじりとライバルを引き離す.2ラップ目の最終セクションで,足が攣って立てなくなるほどとなった寺井選手,このシーンこそが今大会のセクションの壮絶さを物語っていた.
一方,9セクション入り口の大岩はクリヤーしたものの中盤のミスで5点になった時点で逆転の可能性がなくなった宮岡選手.それでも最終セクション中盤の大岩に果敢にチャレンジし,観客の大きな拍手を浴びていた.

2007/10/09


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